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思ひで(3)レッスン開始!

なりゆきで始まった音楽とのかかわりが
あれよあれよという間に進んでいく。

うまくいく時というのは、
そういうものなのかもしれない。

ついにレッスンが始まった。

ちぐささんのおうちに伺い、

まず、素敵な和食器のコーヒーカップに
コーヒーをいれてもらい、世間話をしながら
ひととき、くつろぎの時間。

それから、約40分ほどのレッスン。
これが殆ど発声練習だ。

”ドシ(b)ラ・・・・レドシ・・・・ミレド(#)・・・・”

自分の声が出る限界、すべての音を
低い音から高い音へ移行していく。

3音目は、音は低くなるのだが、
発声で声をだすと、音階が高くなっていくように
聞こえるのだから、不思議だ。

立ち方、どこに息をためるか、息をはくとどうなるか

全てを把握しながら、声を出す。


「聞いていてね。
発声で声を出すと・・アーアーアー・・こうね。
あなたの出し方、発声でないとこうなの
・・・アーアーアー・・・どう、違いがわかる?」

全く、解らなかった。
音の違いが。

首をかしげるあたし・・・

実際、響きがわかるようになるまで
一年くらい、全くわからなかった。
(昔から、本当に不器用でガンコなあたし・・)

違いが何かわからない。

わからないから
どういう風に声を出していいかもわからない。

変な歌い方をするから、体や喉を痛める。

40分間の発声後は、マラソンを走った後のように
いつも、ぐったりしていた。

歌う事がストレスにさえ、なった。
どう、歌っていいかわからない。

しかし、こんなあたしを弟子にしてしまった
ちぐささんの方がもっと大変だったろう。

でも、ちぐささんはあたしを見捨てなかった。

「歌い手と言っても、色んな歌い手がある。
芸能界で華やかに歌う人もいるが、
私のように色々な場所で歌う人もいる。

ジャズシンガーを20代から始めるのは
全然遅くない。だからがんばろう!」

そうやって、励ましてさえくれた。

その時、ああ、あたしはジャズシンガーを
目指しているのか・・・と、ぼんやり思った。

本当は、固い決意もなく、ただなんとなく
軽い気持ちで通い始めたけれど、
そんなこと、とても言えなかった。

ちぐささんは本当にやさしかった。
間違った事をしていても、厳しく怒る人ではなかった。
やさしく、諭す人。

しかし、自分自身にはとても厳しく
向上心のある人だった。

そうして、全くわからないままに
毎週、土曜の午後は、ちぐささんの元へ通った。

心の底で、発声で歌う事への抵抗があった。

しかし、そんなあたしを
ちぐささんは、更に引っ張ってくれた。

なんと、あたしの初舞台が決まった。

ちぐささんのバックで
コーラスすることになったのだ!

次回に続く・・・

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