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思ひで(2)届いた封筒

すし詰めの通勤電車で、会社に通う毎日。

既婚者ばかりの建設会社で、営業事務をしていて
出会いがあるわけでもなく、何か気を紛らわせる
非現実的な出来事を待っていたのだと思う。

バブル全盛期、英会話学校が流行るなかで
少ないお給料の中から、授業料を払い
週2回、仕事の後に学校に通う。

それはストレス発散の楽しい時間だった。
そこでできた友達は年齢も様々なら環境も様々。
会社から強制的に習わされているオジサンやら
帰国子女で英語を忘れない為に習いに来ている女の子。

あたしの場合は

学生時代の仲のいい友達の殆どが4年大に行った。
あたしだけ、勉強しなくてもいいのか?
おいてけぼりになりそうな気がした。

そんな時、駅の改札で、
英会話学校の体験入学のチラシを受け取った。

それが始まりだ。

そして、この間のカラオケ大会で
singerのちぐささんに会ったのだ。

「歌い続けた方がいいよ。
知り合いのところに行って見る?
よかったら、詳細を郵送するわ。」

数日後、ちぐささんから、封筒が届いた。

そしてその中身は、
ミュージカル劇団のものだった。

ミュージカル!あの、歌って踊って、その上演じる!!

どこかの歌のレッスン教室を教えて貰えるものと
思っていたあたしは、驚愕した。

ミュージカル・・・
それまでミュージカルを観た事もなければ、
観たいと思った事もなかったのだ。
今ならミュージカルの素晴らしさもわかるが、
わかったところで、観るのとするのとでは全く違う。

劇団に入る、考えてもいないことだった。

あたしの中では、もう答えは決まっていた。

数日後、ちぐささんに電話をした。

歌は好きだが、踊ったりできない。
せっかくのお話だが、劇団は入れない。

できれば、歌を習いたいのです、 と。

すると、ちぐささんは言った。

「もしよかったら、私がレッスンしましょうか。
別にレッスン教室を開いているわけではない
けれど。」

そうして、ちぐささんはあたしの先生になった。

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