思ひで(13)楽しめなくちゃ。
大好きなサッカー選手が言っていた。
「結局、楽しめなくては、うまくなれない。」と。
―好きこそものの上手なれ―
そういうことなんだ。
しかし、やり続ければ必ず
壁にぶち当たる。
また、壁にぶち当たらないようでは、
本気でやっているとはいえない、
とあたしは思う。
ちぐささんに発声を教えて貰っていて
まだ、よく声の出し方がわからないうえに、
今までどんな風に歌ってきたかも
わからなくなってきて
コーラスで入ったバンドで、
メインを歌うことがどうしてもうまくいかず、
かなりナーバスになっていた。
会社でも、仕事をしながら、
頭の中は歌のことばかり。
「どうしたら、いいんだろう・・?」
そればかり考えていた。
そんな時、付き合い始めた彼が言った。
「今、デートしてるんだろう!
そんな時も、お前は歌の悩み事でブルーになっている。
楽しめなければ、バンドもうまくいかないし、
俺だって、デートしてもおもしろくない!」
あたしは色んなところに悩みを持ち込んで、
大切なものまで壊そうとしているかも知れない
ことに気づいた。
バンドの皆が嫌な訳でも、
もちろん演奏に不満があった訳でもなく
私自身が、バンドをするのに
準備ができていなかったんだ、
と、気づいた。
今、自分は何がしたいのか。
「仕事でなく、もっと自由に
好きなスタンダードジャズを歌いたい」
と思った。
くすぶっていた気持ちに、
はっきりとした道が見えて
あたしはやっとふんぎりがついた。
バンドのギターのTさんとピアノのAさんに
「歌とギターとピアノのトリオで
スタンダードジャズをしてみたい。
一緒にやってほしい。」
と頼んだ。
Aさんはビールとタバコをこよなく愛する
プロのジャズピアニストだが、
素人のあたしの頼みを快く引き受けてくれた。
(ここでも、音楽のラッキー天使はあたしに味方した!)
ちなみにあたしには
尊敬する女の人が数人いるが
Aさんはその中の一人で、
あたしの憧れのヒトである。
初めて参加したバンドを抜けることになった。
今なら、悩まないかもしれない。
自分らしく歌えたかもしれないなぁ、
と思い返す今日この頃である。
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