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思ひで(19)あとから、おしよせるもの

おなかの中に
かけがえのないものを授かって

私は音楽を手放した。

手放した、と言えるほど、
掴んでもいなかったのだが。。

考えてみれば、
人前でカラオケを初めて歌ったのが
数年前のこと。

それまでの自分に戻っただけのことだ。

新しい生活の為の準備に追われ
淋しいと感じることもなかった。

おなかの大きなウェディングドレスで
たくさんの友達に囲まれて
祝って貰ったライヴパーティは
どんな式よりも、素晴らしい思い出だと
今でも、自負している。

体調がよく、落ち着いた頃に
友達のライヴを見に行く余裕もできてきた。

そしてある晩、
だんなと「パレスカ」のライヴを見に行った。

京橋にあるBARでのライヴだったが
妊婦のあたしは、お酒も飲まず
ライヴの楽しさに身を任せていた。

いつもながらのかっこいいステージに
最初は笑顔のあたしだったが

だんだん、その楽しさが遠いものに
思えてきた。

楽しいライヴになればなるほど

「ああ、もうあたしは歌えないんだ。」

という気持ちが押し寄せて

そして、

いつの間にか泣いていた。

その時初めて、もう歌えないことへの
悲しみが押し寄せてきたのだ。

あまりの涙に、ライヴを全て見ずに
だんなに連れられてBARを出た。

大事な何かを失うとき

それが大事なものだと、気づくのは

いつも、失ってからなのだ。

世の中に語りつくされた言葉を
肌で感じた夜だった。

(次回へ続く・・こちらの話は左のカテゴリー「思ひで」をクリック
すると、続けて読むことが出来ます)

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コメント

そんな事考えてたのか・・。でもひとちゃんは何も失ってなかったじゃない?子供を生むのと同じように新しい自分の歌に出会う為の妊娠期間だったのね。

ところで郵便物は届いていますか??

さっきはどうも!
郵便物、ありがとう!!

「自分の歌に出会う為の妊娠期間」か~!
いい言葉やなあ。。。
人生というのは、ほんまに不思議なもの
やと思う。自分で選んできたようで、
なんだかこうなるのは決まっていたような気もして。
先はどうあれ、今を一生懸命!だね。

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