おもひで(30)そして、10年

長く、書いてきた
POCが出来上がるまでの思ひで。

前回でとうとう
PORT OF CALL(ポート・オブ・コール)という
名前をつけたところまで書いた。

そして、それから10年。

ピアノ(ギリ)、パーカッション(アユコ)、ボーカル(ヒトミ)の
3人で、本当にゆっくり、ゆっくり歩いてきた。

初めてのオリジナル曲を作ったバンドで
何もかもが初めて体験することばかりだった。

あたしは子育て、家庭、そして仕事をしながら
途中、いろんなことで休み休みしながら、
それでもなんとか
10年という長い月日を迎えた。

アッという間の10年だった。

結成当時は、
ただスタジオで練習することが楽しくて、
それだけで充分だった。

それがいつの間にか
ホームグラウンドだった
関目のフレックスでのライヴだけでなく
色んなライヴハウスでも演奏するようになり

イベントに参加し、
街中で不特定の方に
演奏を聴いてもらうようにもなった。

この頃には、
「歌っていて、楽しい」
という、自分だけの気持ちや思いだけではなく

「聴いている人に、楽しんでもらいたい」
という、気持ちが多くを占めるようになっていた。

さらに、
「できるだけ、たくさんの人に聴いてほしい」
という、欲も出てきた。

そして今、ありがたいことに
色んな場所で、演奏をさせてもらっている。

これから、どんな風に変わっていくかは
解らないけれど、自分の心に従って
進んでいきたいと思う。

初めに「踏み出した1歩」を忘れずに
いくつになっても勇気をもっていたい。

最後に、最近読んだ本の1節より

「幸せなんてものはね、
どっかにぽっかり浮かんでるものじゃねェや。
今ここにあるもンでやす。
ただ、それを幸せと思えるかどうか、って
ことでしょうよ。

人は皆夢ン中で生きているんです。
それなら悪い夢ばかり見るこたァねェ。・・」

~おもひで・・了~

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POC的。・・・色んな写真を載せてます

カテゴリー

 POCの曲・・数曲ですが、ライヴ時の歌声を
          聴いてもらえます

 POCの歌詞・・歌詞が載ってます。
            これからも少しづつ増やして
            いく予定。

 ぶれいくたいむ 映画・本・CD ・・・ 
            お勧めの映画・本・CDの紹介

 思ひで ・・・Vo.ヒトミの音楽に携わってからの
          遍歴とPOCが出来るまでを
          つらつら書いてます。

 音楽 ・・・・ ライヴ情報や、ライヴの模様などを
          書いてます。

おもひで(29)ファミレス

あゆちゃんが加入し、3人の体制ができあがった。

私には、初めてのオリジナル曲を演奏するバンドで
曲作りなども、てんでわかっていなかったが、
とにかく鼻歌で「ラララー」と歌うと
その直後からもう、曲になっている!

だいたいのラインがすぐに出来上がり、
後は細かい部分を調整していく・・という感じなのだ。

どのバンドでも出来る芸当ではないのは
わかっているつもりだが、それにしても
新曲(鼻歌)を持って行ったその日の練習で、
殆ど出来上がるというのは、本当に驚きだった!

とはいえ、一緒に音を出すのは初めての3人。

というか、今までどんな生活をしてきたのか
そして、どんな恋愛をしてきたのか!
知らない事だらけなので、いつも練習の帰りは
スタジオ近くのファミリーレストランで
話していた。

結成10年で、練習やライブ以外の日に
会ったことが極端に少ない私たち。
今まで、数えるほどしかない・・実は!仲が悪い??(笑)

(なにしろ、知り合ってから、10年以上経つが
ギリさんとカラオケに初めて行ったのが、先月だった・!)

練習後や、ライブ後には色んな話をよくした。

そして、せっかく3人になったんだから
バンド名を考えよう、ということになったのだ。

いつものファミレスで、あーでもないこーでもない、
と、話し合っていたが、

知り合いに
「半濁音(ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ)がつくバンドは長く続くらしい」と
ウワサを聞いた。

それは、あまり根拠のないことだったようだが
自信たっぷりに言われ
ぜひとも長く続いて欲しい・・
と思ったあたしは

どうしても半濁音が入れたくなった。

そして、この[PORT OF CALL]という名をつけた。

ポート・オブ・コール、
日本人にはなじみのない単語だし、覚えにくい・・

もしかしたら、もっとインパクトのある
いい名前があったかもしれないけれど。

でも訳のわからない名前って
一度覚えると、絶対忘れない・・んじゃないか?

あたしは中学の時に聞いた
「ジョン・クーガー・メレンキャンプ」を
未だに覚えている(笑)

結婚記念日もウル覚えのあたしが・・!

確か、決めるときも
二人にそう言って、説得したような気もする。

さて、皆さんは
POCをすぐに覚えていただけただろうか。

でも一度覚えたら・・・

ああ、でもこれって覚えた自分の年が
若かっただけなのかも。。(笑)

いつまでも、皆さんの記憶に残りますよう。

PORT OF CALL・・・・たくさんの人が集まる港

そんな港の母のようになりたい!ヒトミでした。

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          つらつら書いてます。そろそろ
          クライマックス・・?

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おもひで(28)3人のかたち

ライヴが終わった。。

自分がどうだったのか、

演奏がよかったのか、それともダメだったのか

さっぱり覚えていない。

ただ、マスターの

「MCそんなボソボソしゃべらんでも(笑)」と

言われるくらい緊張していたのだけ覚えている。

いつものことだが、自分に自信がなくて

あゆちゃんがどういう返事をくれるのか
全く予想できなかった。

そして。。




ついに。。。



あゆちゃんの返事がきた。



いいですよ~。一緒にやりましょう!
(とーーっても、気さくな感じで読んでみましょう!)

え!!ほんまに!!!

やったーーー。\(~o~)/\(~o~)/

と、言いつつ、

「あゆちゃんって、やさしいから、本人目の前にして
断わられへんかったんとちゃう?」

と、全然信用できていなかったあたしだった。

しかし、ついに

3人のバンドの形が出来上がった。

あたしは今みたいに、
「少しでもたくさんの人に聴いてほしい。。」
なんて気持ちは、全くなく

ただ、練習して、歌えて
私の鼻歌みたいなものが、
まるで魔法をかけられたみたいに
あっという間に「ひとつの曲」になっていく

それが楽しくて。

別にライヴしなくても
スタジオ練習だけでもいい。。

と、思っていた。

でも、それは経験未熟なあたしだけの気持ちで

たくさんの人の前で演奏をしてきている
ギリさんや、あゆちゃんの気持ちとは
かけ離れていたのだろうと、今は思う。

しかし、ライヴをするにも
とにかく曲がなければ、したくてもできない。

曲を作って、レパートリーを増やして
そして、バンド名も考えなくては!!

と、いうことになった。

バンド名。。そう、このPOCのなまえ。

続きはまた次回にて。。

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おもひで(27)ぱーかっしょん

Photo_18 これが何かわかりますか?

これは「ウィンドチャイム」という楽器。

きらりん、きらりん、とても美しい音がする。

POCの音楽は静かな曲が多いので

この「ウィンドチャイム」の音色がとても

よく似合う。


ピアノのギリさんに、
「いいパーカションの子がいる。」
と言われ、一緒に演奏してほしい一心で、
オリジナル曲を手渡し、年末のクリスマスライヴで
一緒に演奏してもらうところまでこぎつけた。

しかし、無知なあたしは
そもそも、「パーカッション」という楽器を
よく知らなかった。

もともと英語で「打撃」という意味で、
ドラムとは分けて「打楽器」全般をいうのだそうだ。

年末のクリスマスのライヴのために、
初めてアユちゃんのすごい数の「打楽器」を見たとき、
本当にどれもがあたしの知らない、
未知の楽器ばかりだった。

ドラムのように「スティック」で叩くのではなく
ほとんどの楽器は「手」で叩かれる。

時には、リズミカルに、そして「ココ!」という

絶妙なタイミングで、「ウィンドチャイム」などが鳴る。

Photo そして、これが「ジェンベ」。

ヤギの皮が張られているのだそうだ。

アユちゃんが「パーカッショニスト」になる

きっかけを作った打楽器。

アユちゃんの「ジェンベ」は土の香りがする。

体の芯に響いてくる。それは、耳で聴いてるんじゃない。

体全身で聴いているのだ。響いてくるのだ。

初めて、一緒に演奏したのに、
昔からの知り合いのように、ピッタリとあう。

ギリさんのピアノとアユちゃんの打楽器は
大河に浮かぶ、完璧な船だ。

アタシはただ、それに乗っかって歌う。

それだけで、幸せな気分になれるのだ。


アユちゃんと一緒に演奏したあと

「ぜひ、この人にバンドに入ってほしい!」と
再度、願った。

そして、その年のクリスマス、
初めて3人でライヴ演奏したのだった。。。

(次回へ続く・・こちらの話は左のカテゴリー「思ひで」をクリックすると、続けて読むことが出来ます)

注)写真の楽器は、アユちゃん自身のものでは
ありません。あくまで説明の為に載せたものです。


ああ、こんな事なら、アユちゃんの楽器
ひとつひとつを、写真に撮っておけばよかったーー!

おもひで(26)長いあいだ

P4010266 このPOCも気づけば、
もう10年近く活動している。

あっという間の10年。

ついこの間、結成したような気分でもある。

最近は、ものすごい早さで年月が過ぎてゆく。

学生時代は、もっとのろのろと時間が経っていた。

本気で何かをやっていなかったからだろうか。
それでも、楽しい時代であったことは確かだ。

「いっちゃん」もそんな学生時代からの友達だ。
毎日、毎日、他愛のないことを話して
放課後を過ごした。

ずっと一緒の人生を歩んだ訳ではなく
高校生活3年間を一緒に過ごしたけれど
それ以来、ずっと、長い間、友達だ。

今では知り合ってからの人生の方が長い。

そして記念すべきPOCの
初めてのライヴポスターを描いてくれたのも
彼女だ。

ちょうどあたしがバンドを始めた頃
彼女は絵を描いていた。

偶然、その絵を見たあたしは
「ぜひ、ポスターを描いてほしい」と頼んだのだ。

P4010262 P4010264

POCのために他にも
たくさんの絵を
描いてくれた。

彼女の絵は、あったかくて、優しい。
出来上がった素敵な絵を見て、
それに負けないように、ライヴがんばろう!
と思った。

そして、彼女の最愛の人と一緒に
POCのSONGBOOKまで作ってくれた。

これはPOCの歌詞に、ぴったりくる
素敵な写真を撮ったものを添えて
1冊の本にしてくれたものだ。

「プレゼント!」と言って、貰った時は
本当に感動してしまった!

P4010269 P4010268 左がSONGBOOK。

本当に美しい写真。

たくさんの人に支えられて
愛されて、POCは育ってきたのだな

そう思う。

その愛を、歌で、演奏で
お返しできるように。

(次回へ続く・・こちらの話は左のカテゴリー「思ひで」をクリックすると、続けて読むことが出来ます)

おもひで(25)受験気分

ギリさんと二人で、少しずつ曲を作った。

しかし、練習回数は月に1回ほど。

曲も、あふれ出てくるわけではなく
本当に、ポツ・・ポツ・・と
少しずつ増やしていった。

POCはあたしにとって、
初めてのオリジナルユニットだったので
ペースが遅いとも思わなかった

「早く、次のライヴをしたい!!」とあせる事もなく
逆に
「ライヴしたら?」と、言われたら
「まだ、心の準備ができていないから・・」
と、断わってしまったりしていた。

今ではあまり考えられないかもしれないが
ひとつのライヴが終わると
その後1ヶ月くらいは、なんにもしたくなくなるくらい
緊張していたのだ。

だから、ライヴ後は練習もせず
「とりあえず、少し休もう・・」と練習さえ入れず
メンバーにも会わなかった。

先日のイベントで、数曲歌った後、
年末に同じBar FLEX(フレックス)で
クリスマスのアコースティックライヴナイトという
イベントがあるので、それに出ようということになった。

その時にギリさんが

「すごくいいパーカッションの子がいるんやけど
 メンバーに入ってもらえるように頼んでみよか」

と、言ったのだ。

あたしはギリさんがいいというなら
ぜひ、頼んでほしい、と言った。

「でも、彼女が入ってくれると言うかな・・・。
それはわからんで。。
とりあえず、オリジナル曲を渡して、
よかったら一緒にしませんか、と
誘ってみよう。。。」 

まだ、数曲しかなかったオリジナル曲をテープに入れ
そのパーカッショニストに渡した。

渡してからは、受験発表を待つ、
受験生の気分だった!

果たして、その人が、OKしてくれるだろうか?

人前に立って歌う事の緊張とはまた違う。

早く、答えがほしいような、返事を聞くのが
怖いから、聞きたくないような・・。

そして、その人からの返事がきた。

OKの返事だった!!

ギリさんと二人して、喜んだ。

しかし、これは年末のライヴを一緒にするだけの
お誘いの返事であって、これからメンバーになる
訳ではなかったので、年末のライヴの出来、不出来
が重要になってきた。

それでも、OKしてくれた事をとても喜んだ
あたい達だった。

まだ、バンドの名前もない頃のお話。。。。

(次回へ続く・・こちらの話は左のカテゴリー「思ひで」をクリックすると、続けて読むことが出来ます)

おもひで(24)ほめてのびる

よく、子供を育てるときに
「褒めて、のばす」などという。

あれは物語に例えると
さしずめ「北風と太陽」のようなものだろうか。

それは、子供だけでなく
ばっちり、大人のあたしにも当てはまる。

作詞第2作、「ホンコンフラワー」を人前で歌った。

周りの反応がこわい。

アタシの詞は、受け入れられるのか。
それとも、自己満足だけで、周りには伝わらないのか。

もちろん、面と向かって、
「これはダメだよ!」という大人は少ない。

だから、よいと思ってくれているかなんて、
本当のところは、わからない。

けれど、それを自分の直感で
「あ、ほんとに気に入ってくれてる」とか
「これはイマイチだったんかな・・」
などと、感じるしかないのだ。

そして、あたしはNさんに

「ホンコンフラワー」の歌詞が気に入った、

と、言われた時、

この言葉を
額面通り、素直に受け取った。

嬉しかった。

で、ちょっぴり自信がついた。

それから、詞を書くことを楽しむようになった。

一番楽しい時間は
ギリさんからメロディーを貰って
その音を聴いて、自分の中で想像する時。

自然とイメージが浮かんで
その世界が膨れ上がってくるのだ。

あたしにとって音楽は
現実の世界を忘れて、
別の世界へ連れて行ってくれる
薬のようなものだ。

小さい頃から、嫌なことがあると
ボリュームを大きくして、
その音の渦の中に逃げた。

そして、現実の世界に戻ったとき、
ブルーな気分はちょっぴり吹きとんでいる。

悲しい歌も、切ない歌も、
あたしに元気を分けてくれる。

本を読むのも、映画を観るのも同じ。

生きていくのに、本当に必要ではないかも
しれないけれど、なくてはならないもの。

あたしを育てるのは、
あたし自身と、あたしの周りの人々。

いつも、ほめてばかりじゃいられないけど
新しい自分に出会ったときが
のびている時なのだと思う。

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おもひで(23)曲作り

中学の時に
「詩」を書く事は向いていない!
と、思ってから一度も書いたことがなかったのに
ゆっくりとしたペースで書き始め

初めての曲「CRYING」に続き
次の曲ができあがった。

それが、今もよく歌う
「ホンコンフラワー」だ。

ホンコンフラワーとは
香港で作られる造花、のことなのだが
せつない気持ちをからめて
一気に書き、ギリさんに持って行った。

曲には色々な作り方があって

曲が先に出来て、それに詞をつける。

詞が先に出来て、それに曲をつける。

人によっては、Aメロ、Bメロ、サビと
バラバラに作って後でいい物をつなげる。

ということもするらしい。

POCの曲は、先に曲ができて
後で詞をつける・・というものが多いが

この曲だけは、先に詞があって
その後、曲ができたタイプのものだ。

色んな人に聴いてもらいたいから
曲を作るのだけれど、
一番初めに誰か人の目に触れる時は、
本当にドキドキする。

なかには「これは、ちょっと・・・」と
言われるものもあるから、
更に緊張する。

それだけに曲が出来たときの
喜びはひとしおだ。

「ホンコンフラワー」を
一番初めにお披露目したのは、
Bar FLEXのミニイベントのとき。

私の大好きな
歌い手のNさんという人がその場にいた。

Nさんの歌は、明るい青春を連想する歌や
せつない恋心を歌った歌、
夢に向かって走る、聴いている人を
元気にする歌が満載で、曲と声はぴったりと
ハマっていて、いつ聴いてもかっこいい。

Nさんの曲を聴いて涙がでてしまったのは
あたしひとりではない。。
たくさんの人が
Nさんの歌に心打たれるのだ。

そんなNさんの前で歌うのは
恥ずかしいような、嬉しいような
複雑な気持ちだった。

尊敬する人の前で歌うのは

好きな人に

「好きです!」

と告白する時のように緊張する。

フラれることがコワくて
告白など殆どしたことがないあたしには
更にドキドキだ。

しかし歌わないわけにはいかない。
「追い詰められる」ということは
小心者のアタシには丁度よいのかも
しれない。

そうして、アタシは尊敬するNさんの
前で自分の気持ちをのせた歌詞を
歌ったのだった。

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おもひで(22)三人目との出会い

初のオリジナル曲ができて、
どうやら、このまま本当に
続けていけそうな
そんな雰囲気になってきた。

しかし、まだまだ手探りの状態。
練習回数も少なく、ひと月に1回
あればいいほうだった。

それでもあたしは久々に歌えて、
かつ「オリジナル曲を作る」という作業を
楽しんでいた。

あっという間に月日は経っていく。
一年ほど、そんな活動をしていたころ
とうとうあたしは
もう一人のPOCのメンバーに出会った。

あゆちゃんに初めて出会ったのは
その年の暑い夏。

Bar FLEXの常連客ばかりで
兵庫県のペンションに1泊2日したときだった。

いつも、大人数を募って、
ペンションのロッジを貸切し
近くの山でバーベキューしたり、
川遊びやテニスやゲームをしたりして
毎年遊びに行くのだ。

店の常連客の集まりなので、
ほとんど知り合いなのだが
その時、2人の若い女の子が初参加していた。

その中の一人があゆちゃんだった。

子供の世話をするのに
気を取られていたあたしは
ほとんどあゆちゃんと話をする事はなかった。

ただ、河原でバーベキューの用意をしていたとき、
あゆちゃんともう一人の女の子が

「あ、いいフレーズが浮かんだ!!」と
何か曲を口ずさみ、喜んでいたのだ。

周りは殆どが、
何らかの楽器を演奏している人間ばかりだったが、
バーベキューのさなかでも
音楽の話をしていた二人はとても印象的で

「本当に音楽が好きなんやなぁ。。」と感心した。

その第一印象はピタリと当たった。

彼女は音楽を愛し、音楽に愛されている。
それがぴったりくる人なのだ。

そして、あゆちゃんが
POCのメンバーになる日は
もう少しあとのことである。

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おもひで(21)交換日記

ギリさんが作ってきてくれた曲に
詞をつけることになった。

なんと、
今まであたしは作詞したことが
一度もなかったのだ。

それまでは
スタンダードジャズやら、ロックや
ポップスのカヴァーばかりだったので
自分で詞を作ることはなかったし、
また、出来るわけもないと思っていた。

詞で、思い出すのは

中学生の時に女の子の友達と
交換日記をつけていたことがある。

当時、流行っていて、あたしは
複数の女の子と日記を交換していた。

あまりいつもは親しくしていないのに

「仲良くなりたいから。。」と言われ
交換日記をするようになった女の子がいた。

かわいくて、頭もよくて、
とてもいい香りのするシャンプーを
つかっている人だった印象が残っている。

当時、フォークやニューミュージックが流行っていて
私はオフコースやユーミンや中島みゆきが好きだった。

そして彼女は松山千春が大好きだった。
よく、日記に千春の歌詞がたくさん書かれていた。

そのうち彼女自身が作った詩も
書かれるようになった。

千春の世界のような、切なくて、ノスタルジックで
中学生が書いたとは思えないような
少し大人びた完成度の高い作品だった。

彼女が詩を書いてくるので、
当時の私も何か書こう。。と、
書いてはみるものの
どんなにひいき目に見てもイケテいなかった。

特に彼女が書いてきた詩のあとに読み返すと
あまりのレベルの違いに恥ずかしくなり
それ以来、
「私には、そのセンスはないんだ」と
書いたことがなかったのだ。

それなのに、小さい人ができてから
オリジナル曲を作りたい、と思うなんて
どういう心境の変化だったのだろう。

自分でも、不思議でしかたがない。

そして、ギリさんから
静かで綺麗な曲をもらった。

目を閉じて、ピアノの音を聴いていると
不思議とイメージが沸いてきた。

当時、青少年のショッキングな殺人事件があり
それが重なって、私の記念すべき
第1作目が出来上がった。

「crying」という詩である。
http://port-of-call.cocolog-nifty.com/blog/cat2283189/index.html

かなり、重いテーマなのだが
その時の気持ちと曲のイメージで
あっという間に書き上げた。

(次回へ続く・・こちらの話は左のカテゴリー「思ひで」をクリックすると、続けて読むことが出来ます)

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